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【確認必須】フリーランスが業務委託契約書を交わすときの注意点は?

2021年1月19日

フリーランスが業務委託契約書を交わすときの注意点は?

こんにちは、まっつんです。

フリーランスとして活動をしていると、クライアントと直で契約をするなんてパターンが結構出てくると思います。

クライアントと直で契約できるというのは、フリーランスにとっては非常にありがたいことなんですが、直接契約をする場合において必須となる契約書、結構苦戦している人もいたりするんじゃないかと思いまして。

「契約書」という言葉の響きから、専門家でないと作れないよ!とか思う人もいるかもしれません。

いや、もちろん専門家が作った方が良いに決まってるんですが、今回はクライアントと契約を交わす際に必要な契約書は用意しておいた方が良いんじゃないの?っていうところと、クライアントと実際に契約を交わすときの注意点なんかを書いていこうと思います。

業務委託契約書ってなに?

フリーランスとなってクライアント(会社)と契約を交わす際、必ず必要となるものが業務委託契約書ってやつです。

業務委託契約書とは、業務の発注元(クライアント)と発注先(フリーランス)の間で、どのような「ルール」で業務をおこなっていくのかを事前に相互で定めた契約書類のことで、いわゆる「言った」「言わない」を事前に契約としてちゃんと定めておくことで、お互いに仲良く仕事していきましょうよっていうことです。

営業系フリーランスの場合はほぼ準委任契約となる

一言で業務委託契約書と言っても、業務の形態によって大まかではありますが主に以下の3つに分類されることが多いようです。

  • 請負契約
  • 委任契約
  • 準委任契約

「契約」という言葉は普段なかなか目にしないので、わかりにくいかとは思いますが、いずれも業務委託契約となり、業務委託の内容(類型)として上記のような形態があるよって捉えるのがイメージしやすいかもしれません。

請負契約

ざっくり言うと、業務の成果物に対して報酬を払いますよっていう契約です。
ITエンジニアのフリーランスやデザイナーのフリーランスの場合だと、このパターンが多いのではないかと思います。

業務委託契約書の中身として、成果物の仕様や品質に関する項目が含まれていることがほとんどではないかと思います。

委任契約/準委任契約

こちらは先ほどの請負契約とは異なり、成果物に対する報酬を払いますというものではなく、「業務をおこなうこと」それ自体に対して報酬を払いますよっていう契約となります。

で、委任契約と準委任契約の違いは、法律行為か否か。
となりますので、私のような営業系フリーランスは、業務委託契約(準委任契約)となるわけです。

フリーランスが業務委託契約書で盛り込んだ方が良い項目は?

フリーランスとして活動を始める際、最初につまづくのが契約書ではないかと思います。
会社員のときなんかだと、法務部とか総務部とか、それこそプロがやってくれますが、フリーランスとなると全部1人でやらないといけません。

私のような営業系フリーランスは、成果物に対して報酬をもらうのではなく、業務実施していることに対しての報酬が欲しいので、それを踏まえた業務委託契約書を変わす必要があります。

じゃあどんな項目を入れればいいのよ!?

ってなると思うんですけど、私自身、色々なクライアント企業と業務委託契約書を締結してきましたが、これが正しい契約書内容だ!っていうのは正直あまり無い気がします。

とは言え、相手は個人ではなく法人なので、フリーランスといえどもちゃんとしてます感を出すためにも笑、とりあえずこんな項目を入れておくといいんじゃないですか。
という観点で、私が実際に使用している契約書の項目を記載しちゃいます。

  1. 契約の目的
  2. 業務の範囲(超重要)
  3. 業務の履行と免責(重要)
  4. 資料等の提供
  5. 報告
  6. 業務の実施場所(重要)
  7. 業務時間(重要)
  8. 業務用機器
  9. 委託料金(超重要)
  10. 諸費用の取り扱い(重要)
  11. 支払い条件(超重要)
  12. 再委託の禁止
  13. 秘密保持
  14. 権利義務の譲渡禁止
  15. 災害補償等(超重要)
  16. 業務上の事故処理
  17. 契約の終了(超重要)
  18. 知的財産等
  19. 有効期間(重要)
  20. 義務の存続
  21. 協議事項

上記の条項を記載したもので、実際にクライアントと業務委託契約書を交わしています。
ちなみに、私自身は法律の専門家ではないので、法的な内容等についてしっかりと知りたい!って人は、別途調べてみて下さい。

業務委託契約書で確認しておいた方が良い項目はどんなところ?

上記の契約項目の中で、フリーランスとして業務委託契約をする際に、特に注意深く確認しておくべき項目(必要に応じて内容を変更することも含む)があります。

業務の範囲(超重要)

いわゆる「何を業務としておこなうのか」を定めるところです。

クライアントと交渉をおこなう際、例えば〇〇は範囲外なのでやりません、と口頭では伝えていたつもりでも、相手が忘れてしまっていることなんてザラにあります。

なので、しっかり書面で自身が業務として実施することはこれだけです!
ってことは書いておきましょう。

委託料金(超重要)

読んだまんまですが笑

いくらでクライアントと契約を交わすのかは書いておきましょう。
ちなみに、意外と忘れがちなのが「税別」なのか「税込」なのかです。

ちゃんと税別で書いておくのを忘れないようにしましょう。

支払い条件(超重要)

クライアントに請求書を出したのはいいものの、いつまで経っても入金されないなんてことが無いように、「いつ締めて」、「いつまでに払う」のかを書いておきましょう。

あと、何気にここで忘れがちなのは、銀行振込手数料です。

超まれだとは思いますが、振込手数料を差し引いて振り込む、なんてクライアントもいるかもしれません。
そうならないように、振込手数料はクライアントに持ってもらうように書いておきましょう。

災害補償(超重要)

ここで言う災害補償には、いわゆる損害賠償も含んでます。

大事なポイントは、

  • フリーランスが負うことになってしまった場合の損害賠償の金額に上限を設ける

ことに尽きます。

究極は何があっても損害賠償を支払わない、がもちろん理想ですが笑
それを快諾してくれるクライアントはほぼいないと思うので、妥協案としてはこれでしょう。

  • 受け取った金額以上は払わない

フリーランスは個人なので、多額の損失金を払えるわけがないじゃん!
ということを踏まえて、貰った金額が上限だよ!と書いておくのが良いでしょう。

契約の終了(超重要)

これについては、クライアントからも契約の終了ができる旨を書いておくことと、実はフリーランス側からも契約の終了ができる旨を書いておくことが大事です。

お互いにいつでも契約を解除、終了できるという関係性を持つ意味でも、重要な項目となります。

業務の履行と免責(重要)

履行については、ちゃんと仕事しますよ的なことを書いておけばいいんですが笑、大事なのは免責のところになります。

受託した業務を(ちゃんと)実行したにも関わらず、目立った成果(営業系であれば受注など)が仮に出ていなかったとしても、仕方ないことだよね?フリーランスのせいじゃないですよね?っていうことをフリーランス側の免責事項として書いておくのが良いです。

業務の実施場所(重要)

フリーランスがどこで仕事をするかを書いておく部分ですね。

クライアントの指定するオフィスなのか、フリーランスの自宅なのか、フリーランスが指定するオフィスなのか、を書いておくのが良いですが、特にクライアントからの指定が無い場合は、フリーランスの自己裁量とする、が一番おすすめです。

業務時間(重要)

例えば土日や祝日は休みますよとか、夜20時以降は連絡しても無駄ですよとか笑

クライアントのためにフリーランスとして稼働する時間を書いておきましょう。

実際には、そりゃ土日でやることだってあるだろうし、夜遅い時間でも対応せざるを得ない場合だってあるでしょうが、決め事としては書いておくのが良いです。

諸費用の取り扱い(重要)

細かいところではありますが、ちゃんと書いておいた方が良い項目だと思います。

いわゆる委託料には含まれないけど、業務を続けていく中で費用として発生してしまったものがあった場合に、クライアントに請求するのか、しないのかについて書いておくと良いです。

わかりやすいところですと、クライアントのオフィスへ出社したときの交通費とかですかね。

あとは、委託料を超える業務をした場合に、追加の委託料として請求できるか否かについても、入れておいた方が良いかと思います。

有効期間(重要)

これも読んだまんまですが笑

契約期間は1年なのか、6ヶ月なのか、3ヶ月なのか、契約の更新は自動更新なのか都度契約書を交わすのか、について書いておくのが良いです。

業務委託契約書は自分で作った方が良いの?

業務委託契約書に限らず、契約書というものは作成した側に有利な文言が書いてあることが多いです。

フリーランス側が独自に業務委託契約書を作り、持っておくことで、自身を守るツールにもなり得るため、なるべく自分で作ることをおすすめします。

ただ、業務委託契約書は、クライアント側で既にひな形を持っている場合も結構多いです。

その場合は、クライアントの意向になるべく沿うようなかたちで、クライアントが用意してくれた業務委託契約書で進めるのが基本的には良いですが、それこそちゃんと中身を確認するようにしましょう。

上記で書いたような項目がちゃんとあるか、ある場合にフリーランス側が圧倒的に不利となってしまう文言となっていた場合は、修正依頼をちゃんとかけましょう。

修正依頼をかけても変更してくれないクライアントがいる場合もあるかと思いますが、その場合は自身が用意した業務委託契約書を使ってもらえないか打診するのも良いです。

修正依頼をかけても変更してくれない、あるいはフリーランス側が用意した契約書も使ってもらえない場合は、フリーランス側で再度契約内容を吟味し、それでも取りに行く案件なのかを考えましょう。

いっそ案件自体を断ってしまうのも全然良いと思います。

クライアントと業務委託契約書を取り交わす際に必要なものってなに?

実際にクライアントと業務委託契約書を取り交わす際に、もちろん契約書類だけあれば良いというわけではありません。

必要なもの① 印鑑

契約書には、お互いに押印をする場所がありますので、そこに押印するための印鑑は必須です。

会社の時は角印や実印を押していたのではないかと思いますが、フリーランスの場合は個人の実印で全然問題ありません。
個人の認印でもいけるかもしれませんが、やはり相手は法人なので、実印の方が良い気がします。

屋号を持っているのであれば、屋号印を作っておき、屋号印を押印するのがいいですね。
(私自身は屋号を持っていませんので実印です)

必要なもの② 収入印紙

業務委託契約書を取り交わす際に、収入印紙が必要となります。
郵便局やコンビニで普通に買えますが、コンビニの場合は200円の印紙以外は置いてなかったり、売り切れてたりするパターンが多いので、おすすめは郵便局ですね。

クライアントとの契約金額によって契約書に貼付する収入印紙の金額が変わることに注意しましょう。

多くは、製本をおこなう際にクライアント側で収入印紙を貼った上でフリーランス側に郵送をしてくれたりしますので、その場合はクライアント側が貼付した金額と同じ収入印紙を貼りましょう。

フリーランス側から収入印紙を貼る場合は、国税庁のWebサイトで金額を確認してから貼ることをおすすめします。

あとがき

というわけで、フリーランスがクライアントと直接契約をする際に必要となる契約書について書いてみました。

作るのは当然めんどくさいし、使う場面ももしかしたら限られてしまうかもしれないんですが、作っておいて損はないよ!

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