フリーランスの暮らし

フリーランスが増えすぎることによるリスクに備えるべし!

2021年1月5日

フリーランスが増えすぎることによるリスクに備えるべし!

こんにちは、まっつんです。

既にこれまでに色々なメディアでも言われていることではありますが、ここ数年で、フリーランス
人口が爆増しています。

特にここ最近(2019年頃からかな)はテレビを始めとしたメディアでもフリーランスというキーワードが増えてきたなと感じており、フリーランスは年々増えすぎじゃない・・?
くらいな感覚を持っています。

もちろん私もその人口のうちの1人に入ってはいるのですが、これからさらにフリーランスで働く人が増えると、フリーランスで活動をする側から見て、どのようなリスクが生まれるのかを簡単に整理してみました。

国内のフリーランス人口ってどうなってるの?

と、その前に、そもそもフリーランスとして活動している人たちって、日本国内にはどのくらいいるのでしょう。

内閣府が出している「日本のフリーランスについて」によると、2019年の時点で日本国内におけるフリーランスの働き方をする人口は、おおよそで340万人程度と推計されています。
この数は、以下の条件により算出されているようです。

・自営業者である(誰かに雇われている訳ではない)
・雇用人がいない(人を雇っていない)
・実店舗を持っていない
・内職は含まれる(自宅でおこなう作業が中心である)
・農林漁業は含まれていない
・1人社長は含まれる(売上が上がり法人成りにするパターン)

このうち、私のようなフリーランスでの仕事を「本業」としている人が約220万人、最近増えてきましたが「副業」としている人が約120万人程度の内訳となっています。

広義のフリーランス人口は1,000万人を超えている!?

一方で、ランサーズさんが出されている「【ランサーズ】フリーランス実態調査2020年版」では、なんと1,000万人以上との数字が出ています。
調査対象は以下となっており、フリーランスの定義をわかりやすい4つの区分に分けていることに加え、
より直近の数字としては具体的なものとなっているようです。

・過去12ヶ月に仕事の対価として報酬を得ている
・副業系すきまワーカー(いわゆる副業)
・副業系パラレルワーカー(2社以上の企業と契約ベースで稼働)
・自由業系フリーワーカー(特定の勤務先がないプロフェッショナル)
・自営業系独立ワーカー(いわゆる1人社長)

このうち、最も数が多いのが副業系すきまワーカーとなっており、409万人となっています。

フリーランスは本業、副業を問わず参入できることから、市場としても年々増加しており、フリーランスとして活動をする人の数も猛烈な勢いで増えているのです。

フリーランスが増えている背景はどんなことがあるの?

いつのまにこんなことになった・・!?
ってのが個人的な感想なのですが、私がフリーランスとして活動を始めることになった2015年は、ここまで活発な感じではなかった気がします。

このような状態となったのは、日本の社会がフリーランスに対する門戸を(表向き上)徐々に広げたということが挙げられます。
2018年に成立したいわゆる働き方改革関連法の中で、フリーランスが「ひとつの働き方」として認められてきたことで、フリーランスの数が増えすぎともいえる状態になってきたんじゃないかと思います。

なかでも、背景として大きいのは以下の3つでしょう。

背景その① 企業の副業解禁

なんといってもこの解禁は大きい。
フリーランスが増えすぎの要因としてこれは外せないでしょう(笑)

これまでは、何か自分でやりたいことや収入を上げたいと思った場合には、「会社を辞める」か、「転職する」か、「起業する」ことがほぼ前提だった世の中(就業規則に副業禁止があるとこが多かった)でしたが、副業を解禁する企業が増えたことで、なんと会社に在籍をしながらでも副業として働くことができるようになりました。

背景その② 働き方のダイバーシティ化

副業の解禁と併せて、働き方を見直す企業が増えてきたことも要因のひとつでしょう。
例えばフレックスタイムの導入を増やしたり、最近はコロナの影響もあり、リモートワークが普及し、自宅にいながらでも仕事ができる環境が整いつつあります。

このような制度を利用し、空いた時間に別の仕事をおこなうなど、これまでの働き方が無くなり、多様化した働き方ができるようになったことで、フリーランスとしての選択肢は増えたと思います。

背景その③ フリーランス支援事業者の参入

いわゆるフリーランスエージェントってやつですね。
一昔前は、派遣社員を支援するエージェントがほとんどでしたが、最近ではフリーランス専用の求人サイト的なものもあり、完全に風向きはフリーランス支援となっているように思います。

特にIT領域においては、エンジニアの確保が急務となっており、なかなか自社での採用ができていない現状があるのと、エンジニア側も、

「あれ・・、これってフリーランスになった方が稼げるんじゃね?」

って気付いちゃったので、会社に属さないエンジニアも増え、更に自社での採用難易度が上がり、結果としてエージェント事業者がそこに目を付けてビジネス化できるじゃんと気付いちゃうやつですね。

IT系のフリーランスエンジニアであれば、とりあえずエージェントに登録をしておけば、今だと本当に仕事には困らないと思います(笑)

フリーランスが増えることによって生まれるリスクとは?

で、私を含めフリーランスを「本業」としている人たちにとっては、フリーランス人口が増えることは、認知度が増えて嬉しいと思える反面で、はっきり言えばリスクとなり得ることを認識しないといけません。

企業側がフリーランスに対する門戸を開けているのは事実ですし、そうなることで新しく仕事を取ることもできるとは思いますが、フリーランスとして既に働いている側からすると、実はメリットよりデメリットの方が大きいかもしれません。

フリーランス人口が増えるということは、

企業側「新たな人材や不足している人材を確保したい」:需要
フリーランス側「フリーランスとして働きますよ」:供給

となるわけですが、当然「需要」側の数は限られてますので、いずれ供給過多になり、増えすぎた市場では飽和してしまう可能性があるわけです。

増えすぎによるリスク① 収入の低下

となると何が起こるか。
自身の収入源が減る可能性が出てきます。
生活に直結するのでダメージは計り知れません。

供給過多によりフリーランスが稼働するための単価が低くなり、ひとつやふたつの案件では満足のいく収入が得られない可能性が出てきます。

クラウドソーシングなんかだと、そういった傾向が顕著に出る気がします。
登録している人もガンガン増えているはずなので、当然単価は下がりますよね。

増えすぎによるリスク② 他者との競争

自身が唯一無二のハイパースキルやコネがあり、どこの企業からも引く手あまただぜ!って人には
関係無いですが、そうでない人たちには他者との競争が必ず付きまといます。

例えば1つのフリーランス募集ポジションに対し、数十人が群がる状態になった時、そこはまさに弱肉強食の世界、血で血を洗う凄惨な世界が待っています(笑)

ってのは言い過ぎかもですが、フリーランスとして案件を獲得するのは正直大変なことなので、競争相手は少ない方がいいに決まっています。

増えすぎによるリスク③ 案件期間の変動

フリーランスが増えるということは、企業側からすると「いつでも選べる」ことに繋がります。

例えば通常1年単位での契約をベースとしているフリーランスがいた場合、これまでであれば企業側が
契約を中途解約する場合、次に確保できる人材がいつ採れるのかわからない中で、社内リソースの観点から契約期間まではフリーランスを確保しておく必要がありました。

フリーランスが増えてくると、「またすぐに新しい人を探せばいいや!」となるので、そもそも1年という期間で契約をする必要もなく、なんなら1ヶ月とかで様子見なんてこともできるわけで、フリーランス側から見ると、収入の目途も立たなければ、スケジュールを組み立てることすらままならなくなります。

リスクへの対策をちゃんと考えておく

フリーランスが増えることによって、企業側の間口が増えるのは確かに嬉しいことなのですが、フリーランス側から考えた時には、基本的にフリーランスは「不安定」な仕事である、ということです。

不安定というのは、やはり主に収入面においてとなりますが、安定的な収入を確保するために、リスクへの対策を常日頃から考えておく必要があります。

今現在なら、とりあえずエージェントに任せておくというのも打ち手なのかもしれませんが、エージェントだって営利集団であることを忘れてはいけません。
フリーランス人材が利益を生まなければ、そのフリーランスに用はありませんし、誰も助けてなんかくれません。

収入の低下への対策

まず私自身の経験からはっきりと言えるのは、

収入低下の恐れの無い(または限りなく可能性が低い)柱となる顧客を1つは作る

が最優先事項となります。

柱の顧客を作ることで、フリーランスにとって最悪な状況である「無収入」という状況はまぬがれることができます。

また、柱の顧客案件をしっかりとおこなっていれば、顧客側からも報酬単価の低減などの申し入れがある可能性は限りなく低いです。

その上で、新規の案件を同時進行で取りにいくのがおすすめです。
新規案件の獲得手段は、それこそエージェントを頼ってもいいですし、自分で営業を掛けて取りにいく、知人を辿って取りにいくでもいいですが、同時におこなうようにした方がいいです。

営業系フリーランスの場合は、自身の稼働限界を見極めた上で、柱の顧客案件の他に、常に1,2案件を持てるような状態を作ることが大事です。

他者との競争への対策

これも私の経験談とはなりますが、

・自身の名刺をちゃんと作る
・自身のウェブサイト(ポートフォリオ)をちゃんと作る

が大事だと思います。
あ、「ちゃんと」っていうのは見た目がどうとかではありません。

私自身、これまでの対応案件の中で、当然のことながら既に他者との競争がありました。

顧客との面会の際、自身の名刺を渡す、面会中の話の中で顧客が私の作ったウェブサイトを見る、こういったある意味儀式とも取れる顧客の行為は思った以上に効果を発揮します。

後になって顧客の担当に話を聞くと、

なんか他の人よりちゃんとしてそうだったから

なんて答えが返ってくることがあります(笑)
なんじゃそりゃー!!って話ですが本当にあります。

フリーランスの多くは、まず自身のウェブサイトを持っていません。
なんなら自身の名刺さえ持っていません。
エージェントを通す場合は、なんなら履歴書だけかもしれません。

突出したスキルセットを持たないフリーランスにとっては、こういった名刺やウェブサイトがそのまま競合他者との「差別化」になり得ます。

案件期間の変動への対策

新規で顧客と契約をする場合、正直契約期間の決定権は顧客側にあることがほとんどです。

顧客側からすれば、いきなり長期での契約を見ず知らずのフリーランスと交わすのはリスクになりますので。

なので、契約締結段階においては顧客との交渉をおこなうのはあまりおすすめしません。
ここは契約締結後に業務をおこなっていく中で、顧客側から、「いつでも選べない」状態にするのが良いです。

わかりやすい例で言うと、

「顧客のクライアントを担当する」

が良いです。

会社員の時とかでも良くあったと思うんですが、
「あの顧客の案件は〇〇さんに聞かないと細かくはわかんないね」
っていう状態を作り出せばいいんです(笑)

顧客のクライアントを積極的に担当することで、この状態に近いものを作り出せます。
さらに言うと、クライアントとコミュニケーションを重ねて仲良くなってしまうと、効果は絶大なものとなります(笑)

フリーランス戦国時代を生き抜くために「顧客からの信頼」を得てリスクを限りなくゼロにするための活動をしよう!

いずれの対策においても、今後もフリーランスがどんどん増えていくと予想される世の中で戦っていくために一番大切なことは、「顧客から信頼される」ことに尽きます。

顧客からの信頼を得ることはやっぱり大変ですが、誠実に業務に向き合っていくことで、着実に信頼を積み重ねることはできます。

・仕事の成果(顧客にもたらした利益など)
・仕事の態度(電話応対やメール応対などの日々の業務対応など)
・顧客のクライアントへの対応(クライアントからの評判など)

など、フリーランスはさまざまな面で評価をされています。

フリーランスが増えている今だからこそ、顧客ひとつひとつに対してちゃんと対応をしていくことが大事な要素となります。

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